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研修会「事業承継税制の適用と実務」  
  ~ 納税猶予制度の活用は難しい選択 ~


 筑後地区会では、平成30年11月5日(月)久留米ホテルエスプリにおいて、MJS税経システム研究所客員研究員で税理士の植田卓氏をお招きし、研修会を開催しました。
 平成30年度税制改正の中から、「事業承継税制の特例の創設」と名付け、従来からの制度を改廃するのではなく、新たな制度として位置付け、非上場株式等の納税猶予制度について、相続税または贈与税の負担が実質的に非課税となる制度が新設されました。
 今回の特例納税猶予制度は従来の制度に比し大幅な改正(課税軽減)であり、また活用しやすくなっています。そこで、同族会社の株式については相続が発生した場合には、適用を受けるかどうかを必ず後継者である相続人に確認する必要があり、もし、この制度の周知を怠った場合には、クライアントとの間で税賠問題まで発展する可能性が十分考えられます。
 そこで、この特例納税猶予制度を適用するためには、まず、円滑化法に基づいて、都道府県知事による認定を受けなければなりません。その場合、特例承認計画を作成し、平成30年4月1日~同39年12月31日に承継されたものに限るとなっています。その猶予される株式は全株式が対象であり、株式等に対する相続税額・贈与税額の100%が猶予となります。ところが、この制度は、法令の規定が膨大でかつ複雑なため、なかなか理解し難いところがあり、手続のスケジュールなど実務上の管理指導にリスクがかなり多く考えられると講師も説明されました。したがって、株価の高い同族会社には、納税猶予制度を利用することを指導し、その管理指導のための報酬契約は別枠で結ばなければハイリスクだけが残ることになる。この制度を積極的に活用していくかどうかは難しい選択になりそうです。


[ 筑後地区会 園田 嘉生 ]

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