ホームへ

02fukuoka.titlekatsudo


特別研修報告  
  ~ 税制改正大綱による税務調査手続きの問題点 ~


 福岡地区会では平成23年7月7日(木)の定期総会にあわせ、福岡大学の宮谷俊胤名誉教授を講師にお迎えし、「平成23年度税制改正大綱による税務調査手続の問題点」をタイトルとする特別研修会を開催しました。
 研修内容は、まず現行の税務調査に関する規定である所得税法第234条の確認、昭和47年7月10日最高裁判決(いわゆる荒川民商事件)の内容と行政手続法の目的と適用除外の部分の解説をいただきました。続いて、新国税手続法の中から税務調査手続の部分を逐条的に見ながら、そこに潜む問題点が提起されました。
 後半は、宮谷名誉教授と参加者とのディスカッション形式による質疑応答です。質疑応答の結果は、イギリスにおいて、調査を実施する前に第三者機関がその必要性について判定が行われる制度となっていることや、納税者権利憲章についてその考え方を支えるための立法が用意され憲章に反する行政行為がなされた場合の2通りの救済手続が設定されていることなど、外国の制度との比較の中から法案の問題点が明確になりました。
 研修の開催時期は、改正法案が未だ閉会時継続審査中という段階でしたが、熱心な会員の積極的な質疑に対する宮谷名誉教授の明確な回答という研修展開となり、久しぶりにアカデミックな空気に包まれ、知的好奇心が刺激される研修でした。


[ 福岡地区会 末吉 幹久 ]

ページの先頭へ
Copyright (C) kyushu miroku kaikeijin kai. All Rights Reserved.